様々な食材と、何十種類ものスパイスとハーブ、油、そして塩で作り上げられるインド料理の奥深い世界。地域性に加え、民族、宗教、階級などによっても異なるその料理は、インド人でさえもそのすべての実態を知ることは難しいという程に多種多様であり、その総数は何千、何万種類にも及ぶともいいます。宗教的な理由もあって、基本的にベジタリアン料理が多いものの、魚を使った料理も発達しており、鶏肉や羊肉を用いた料理も多彩。
広大な国土に何億人もの人々が暮らすインドの料理は大きく分けて、ナンやチャパティを主食に乳製品も多く用いる比較的こってりした料理の多い北インド、米や豆を主食にココナツミルクを用いることも多い比較的あっさりめの料理が多い南インド、さらにベンガルやゴアなどに分かれますが、さらに細かく区分けすると北のムグライ料理、パンジャーブ料理(パンジャブ料理)、ラジャスターン料理、南のケララ料理、タミル料理、カルナータカ料理(カルナタカ料理)、アーンドラ料理、東のベンガル料理、オリッサ料理、コルカタ料理、西のムンバイ料理、ゴア料理、グジャラート料理、マハラシュートラ料理、等々があります。
今や、インドに実際に足を運ばなくとも、東京を始め、日本各地で美味しいインド料理を食べることができますが、もしあなたが一度や二度インド料理を食べてみて、「あまり口に合わない」と思っていたならば、早合点をするのは少し勿体ないかもしれません。今一度、様々な地域の様々なタイプの料理があることを知ったうえで、改めて色々なインド料理店に足を運んでみれば、もしかして仰け反ってしまうような、または思わず唸ってしまうような、この上なく美味なる味に出会えるかもしれないのです。(もちろん、他国の料理同様、同じ「ケララ料理」「タミル料理」であってもレストランや作り手によって味わいが大きく異なることもあります。)
そして、インド料理の片鱗に触れた暁には、ぜひ実際にインドまで足を運んで現地で食べてみることをおすすめ致します。やはり究極的には、食べ物はその場所で食べるのが一番。気温や湿度、人々の雰囲気、はたまた車のクラクションや動物の鳴き声まで、様々な要因が食べ物をよりリアルに味わさせてくれるのです。いくら日本の夏が暑いとはいえ、快適な冷房の効いたレストランでインド料理を食べて「ラッシー」を飲んでも、現地のうだるような暑さの中で食べる味わい、飲む味わいには中々迫ることはできません。(もちろん、インドにも冷房がガンガンに効いた場所は沢山あります。)雰囲気や空気も込みで料理を味わう、それこそが料理の本質を知るための大切な行為なのかもしれません。暑い中で食べるスパイスの効いた食べ物のあの味わい。土煙があがる道端で食べるスイーツのあの味わい。
皆さんも機会があれば、ぜひこの上なく深遠なインド料理の世界をのぞいてみて下さいね。
北インド風ビーフコルマと カシミールラムカレー、フライドチキン
エッグカレー
ホッパーとエッグマサラ
南インド料理ケララチキンフライ
ダヒ・ヴァーダ
ダルマハニ
ダールタルカ
サンバル(サンバール)
メドゥ ヴァダ(豆のコロッケ)入りサンバル
ターリー ライス、プルカ(チャパティ)、プーリ、カレー、サンバル、ラッサム、プラオ、パパド、お菓子
チキンカレーマサラ
ケララの朝食 アーッパ
ダヒバート
ダルマハニ(ダルマフニ)
タンドリーチキン
マトン・ビリヤニ
チキン・ビリヤニ
パラクパニール(ほうれん草とチーズのカレー)