一度は食べたい スロベニア料理の色々
スロベニア料理と聞いても「これ!!」と思い浮かべることができる方は、あまりいないかもしれない。フランス料理やイタリア料理などと比べるとマイナーなものの、実は「美味しい」料理として知られるスロベニア料理。
イタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーに隣接するスロベニア(スロヴェニア)は、地理的、歴史的にも、それらの国々の影響を大きく受けてきた国で、食文化、郷土料理にもそれが顕著に表れている。24に分けられる各地域ごとに多彩な郷土料理、伝統料理があり、その総数は170種を超えるとも。スロベニアが「隠れた美食の国」とも呼ばれるゆえんだ。
食材としては、特産品である「そば」が比較的よく使われるほか、酢漬けのキャベツ、肉類が多く用いられる。アドリア海からアルプス山脈まで、豊かな海の幸、山の幸を使った料理を、高品質な事で名高い「スロベニアワイン」と共に頂こう。
クランスカ・クロバサ
クランスカ・クロバサ (kranjska klobasa) は、スロベニアの伝統的なソーセージ。法律で「豚肉は最低68%以上、牛肉を最低12%以上使用、脂身は20%以下、添加物としては水、食塩、ニンニク、コショウが5%以内のみでその他の添加物は加えてはならない。」など細かく製造法が規定されて守られているほどにスロベニアでは大切にされ、大事にされている国民食。
クメチカ・ポイェディナ
クメチカ・ポイェディナ(Kmečka pojedina)は「農村の祭り」を意味するスロベニアの伝統料理・名物料理。ソーセージやブラッドプディング(豚の血のソーセージ)、ベーコン、ローストポーク、酢漬けキャベツ、そばがきに似た「アイドヴィ・ジュガンツィ」(↓)などを一つの皿に盛りこんだ料理。
アイドヴィ・ジュガンツィ
こちらがその「アイドヴィ・ジュガンツィ」。ソバがよくとれるスロベニアでは、ヨーロッパの他の国々に比べると「そば食」が盛んで色々な料理がある。中でも特に親しまれているそば料理がこちらのアイドヴィ・ジュガンツィ。北部のゴレンスカに伝わる郷土料理がいつしかスロベニア全土に広がったもの。
イドリイスキ・ジュリクロフィ
イドリスキ・ジュリクロフィ(Idrijski žlikrofi)は、ラビオリによく似た料理。スロベニア西部のイドリヤの郷土料理。小麦粉、卵、牛乳または水、油などで作る柔らかいパスタ生地の中に、ジャガイモ、タマネギ、脂身または燻製のハムと、塩、黒胡椒、マジョラムなどのハーブと調味料を詰めたもの。20世紀の初め頃に鉱山の労働者と共にイドリヤに伝えられたという料理。前菜として、メインの付け合せとして、また単品で楽しめる料理で、伝統的には、羊や野ウサギの肉から作られたソース(バカルツァ:bakalca)と共に食する。
スリヴォヴィッツ
スロベニアの人々が愛するお酒。ちなみにスロベニア語で乾杯は、ナ・ズドラウイェ (Na zdravje)という。
ウシェナット
ウシェナット (VŠENAT)は、酢漬けのキャベツ(ザウアークラウト)を煮込んだものと粟の実の料理。かつて主食として食べられていた粟の実と、伝統的な保存食であるザウワークラウトを合わせた、スロベニアの伝統息づく料理。
プラジェン・クロンピル
プラジェン・クロンピル(PRAŽEN KROMPIR)は、「炒めたポテト」を意味するスロベニアの料理。ゆでたジャガイモと玉ねぎをオリーブオイルで文字通り炒めて塩で調味したシンプルなものだ。スロベニアにジャガイモが伝えられたといわれる19世紀以降、ジャガイモはスロベニアの人々の大事な主食の一つとなってきた。このプラジェン・クロンピルを主菜とすべく、首都リュブリャナで活動している団体があるほどに、スロベニアではよく食されている料理。
リチェット
リチェット (RIČET)は、大麦と肉、野菜を煮込んだ伝統的なスロベニア料理。リュブリャナ地方発祥といわれるスープで、健康的で栄養価も高いスープとしてスロベニア全域で食されている。大麦と、玉ねぎ、にんじん、セロリなどの野菜、ニンニク、豆、ベーコンなどが入ったボリューム満点のスープ。地域や家庭によって使われる食材にはバリエーションがあり、様々な味わいがある。
ヤンシュカ・ヴェジウカ
ヤンシュカ・ヴェジウカ(JANŠKA VEZIVKA)は、リュブリャナの農村地域で伝統的に食されているお祭り用のパン。